今回の悩み
- 家づくりを始めたいけど資金面が不安
- 手元にあるお金は極力とっておきたい
- 家の頭金っていくら用意すればいいのかわからない
こんなお悩みを解消します。
結論から言うと、頭金はこれから時間をかけて貯金するくらいであれば特に必要ないです。
住宅ローンを借りて早めに支払いをスタートしてしまいましょう。
この記事を読むことで頭金へのぼんやりとしたイメージを明確にすることが可能です。
目次
金額や借入れ年数ごとに頭金の効果を比較
なんとなく「きっと頭金が必要なんだろう」というふんわりしたイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
実際のところ頭金は無くてもお家は建てられます。
ただしある程度の現金は必要ですので注意しましょう。
具体的にどのくらい必要なのかは人によって違うので、別記事で解説します。
≫住宅購入の際は現金が必要?頭金なしでも自己資金が必要な理由と金額とは
「頭金は総額の2割用意するべき」は本当?
前述のとおり、頭金は無しでも家は建てられます。
以前は物件価格の8割までしか融資してくれない金融機関もあったので、「2割の頭金」はその名残ではないでしょうか。
現在では物件価格の10割を融資してくれるような金融機関がほとんどです。
若い世代の方や子育て世代の方でも家を建てやすくなったと言えるでしょう。
ただし、まったく貯金する習慣がないのに住宅ローンをたくさん借りるのはおすすめしません。
ある程度は将来設計を見据えて資金計画を立てていくのが良いでしょう。
金額別に頭金の効果を比較
頭金を入れた場合の効果を比較していきます。
ここでは以下の条件で算出します。
- 総額4000万円の住宅を購入
- 住宅ローンは35年返済
- 金利は1%の全期間固定
- ボーナス払い無し
頭金は0円、100万円、300万円、500万円、1000万円の5パターンでいきます。
それぞれの毎月返済と総返済額は以下のとおり。
頭金 | 借入額 | 毎月の返済 | 総返済額 |
0円 | 4,000万円 | 11万2,914円 | 約4,742万円 |
100万円 | 3,900万円 | 11万91円 | 約4,624万円 |
300万円 | 3,700万円 | 10万4,445円 | 約4,387万円 |
500万円 | 3,500万円 | 9万8,799円 | 約4,150万円 |
1,000万円 | 3,000万円 | 8万4,685円 | 約3,557万円 |
入れた頭金以上に総返済額が削減されていることに注目。
借りた分には利息が付きますので、なるべく借入額を減らすのが得策でしょう。
「頭金のために貯金する」ことへのデメリット
頭金を入れるのは一見メリットが多く、絶対に入れるべきだと思われるかもしれません。
ただしそれはもうすでに十分な自己資金を持っている場合に限っての話です。
例えば500万円の頭金を用意するために、毎月10万円ずつ貯めていったとしても4年以上かかります。
時間が経つことによって生まれてしまうデメリットがあるのです。
ここからは頭金を貯めることへのデメリットを解説します。
年齢が上がってしまう
例えば同じ35年ローンを組む場合でも、30歳の方と40歳の方では払い終わる年齢が違います。
返済終了の予定日が定年退職の年よりも後のケースでは、退職金などで繰り上げ返済を狙っていくことをおすすめします。
住宅ローンのような長期に渡る借入れをする場合、なるべく早めに返済しきる方が良いのは間違いありません。
余程の事情でない限り、頭金を貯めるために計画を遅らせるのは得策ではないでしょう。
家賃がかかり続ける
アパートやマンションなど、賃貸住宅にお住まいの方は貯金をしている間にも家賃が発生し続けます。
例えば次のようなケースを想像してみて下さい。
- 家賃10万円を支払いながら住宅の頭金を毎月10万円貯めるAさん
- 住宅ローンを毎月12万円支払いながら毎月8万円貯金するBさん
このAさんとBさんを比べると、頭金を用意するAさんの方が住宅ローンの借入額は少額で済むかもしれません。
ただ、手元に残るお金が多いのは確実にBさんの方でしょう。
家賃と住宅ローンの支払いは似ているようでまったく違います。
早めに家賃のかかる生活から脱却するのは老後のためにもおすすめです。
住宅の金額も上昇傾向にある
実は住宅自体の価格も年々上がり続けています
建築資材の高騰、職人不足による人件費の上昇、家の性能が上がっていることなどが主な原因です。
住宅ローン「フラット35」の利用調査で住宅の取得価格の推移がご覧いただけます。
≫住宅金融支援機構ホームページ【2019年度フラット35利用者調査】
今後の推移を予想するのはむずかしいですが、価格が下がっていく可能性は考えづらいです。
せっかく頭金を貯めたのに、いざ建てる際に住宅の価格が高くなっているとしたら本末転倒でしょう。
頭金を貯める期間はもったいない
頭金は借入額が減るため、月々の返済を抑えたり返済総額を減らしたりという効果が期待できます。
しかしこれから頭金を貯めようと思うと時間がかかってしまいます。
時間がかかることでのデメリットは前述のとおり。
ここからは実際に「今始める場合」と「頭金を貯めて始める場合」の比較をしていきます。
今始めた場合と5年後に始めた場合の比較
具体的に頭金を貯めてから計画を始めた場合、どのくらいの差が生まれるのでしょうか。
「今すぐ始めるAさん」と「頭金を貯めて始めるBさん」を例に、以下の条件で算出していきます。
- 総額4000万円の住宅を購入
- 住宅ローンは35年返済
- 金利は1%の全期間固定
- Bさんの家賃は月8万円
- Bさんは頭金のために毎月5万円貯金(5年後には300万円貯まっている)
頭金を貯めるまでにかかった家賃分も含めると、実際どのくらいの違いが生まれるのでしょう。
比較した表は以下のとおりです。
今すぐ始めるAさん | 頭金を5年貯めるBさん | |
住宅の購入価格 | 4,000万円 | 4,000万円 |
頭金 | 0円 | 300万円 |
住宅ローン借入れ | 4,000万円 | 3,700万円 |
月々の返済額 | 11万2,914円 | 10万4,445円 |
家賃の負担 | 0円 | 480万円 |
総支払い額 | 約4,742万円 | 約4,687万円 |
せっかく5年間頑張って300万円貯めたのに、総支払い額は55万円しか軽減されません。
ここに加えて前述のとおり、以下のリスクがあります。
- Bさんの方が支払い終了が5年間おそい
- 5年間の間に住宅価格、金利が変動する可能性がある
軽減される支払い額とリスクのバランスを考えて判断するべきでしょう。
繰り上げ返済を上手く使う
少しでも返済総額を抑えたい、月々の支払いを下げたいと考えるならば「繰り上げ返済」も有効な手段です。
繰り上げ返済は住宅ローンを支払い始めた後で、ある程度まとまった金額を毎月の引き落としとは別に返済してしまう方法です。
繰り上げ返済の効果や方法については別記事で解説していきます。
≫住宅ローンの繰り上げ返済って?お得な理由と効果を解説【知らなきゃ損】
頭金を貯める際の「時間がかかる」というデメリットがないため、繰り上げ返済は有効に利用するべきでしょう。
まとめ
住宅を購入するために頭金を用意しなければならないと考える方は非常に多いでしょう。
しかし頭金を貯める期間が長いとデメリットが生まれます。
この記事のポイントはこちら。
まとめ
- 頭金はなくても建築は可能
- 頭金は多ければ多いほど返済が楽になる
- 頭金を貯める期間はデメリットが多い
- ローンの返済は早く始めて早く払い終わる方がお得
- 繰り上げ返済を上手く利用しよう
最後まで読んでいただきありがとうございます。