今回の悩み
- 住宅ローンって借りた時の返済額や期間を変更できないのかなあ?
- 定年までに何とかローンを終わらせたい
- 子どもが大学に行く前に月々の返済を下げたい
こんな悩みを解決します。
結論は、住宅ローンを借りても後から返済額や期間を変えることができます。
これは毎月の返済以外にある程度まとまった金額を返済する「繰り上げ返済」という制度があるからです。
本記事では繰り上げ返済の方法や効果、実際に利用してみたシミュレーションについて解説していきます。
最後まで読むことで、勇気を出して長期ローンに立ち向かうことができるでしょう。
目次
繰り上げ返済の方法と効果
繰り上げ返済は積極的に利用していくことをオススメします。
最大の理由は「繰り上げ返済分はすべて元金の返済にあてられる」からです。
例えば毎月10万円の返済だとしても、内訳の大半は利息が占めているケースも多々あります。
そのあたりは別記事でまとめていきます。
繰り上げ返済分は利息にあてられることはなく、100%元金の返済として扱ってもらえるのです。
さらに金融機関によっては繰り上げ返済後の支払いについて、「期間短縮型」と「返済額軽減型」を選択することが可能です。
ここからはその具体的な方法と効果について解説していきます。
繰り上げ返済のやり方
基本的には借りた金融機関の窓口に行って申請をする方法が一般的です。
ネット銀行などの一部の金融機関ではwebや電話からの申し込みも行ってます。
手数料がかかる金融機関がある点と返済の最低額が決められている点には注意したほうが良いでしょう。
ちなみに住宅金融支援機構のフラット35では以下のような形です。
- 手数料はなし
- 窓口での申し込みでは最低額100万円
- webページ「住・My Note」からの申し込みでは最低額10万円
詳しくはこちらもご覧ください。
≫住宅金融支援機構ホームページ【フラット35 繰り上げ返済について】
期間短縮型は返済期間が短くなる
繰り上げ返済後の支払いで「期間短縮型」を選択した場合、残りの返済期間が短くなります。
仮に70歳まで支払うはずだった住宅ローンを、これによって定年をむかえる前までに完済することが可能。
加えて、短縮された期間中に払うはずだった利息をスキップできます。
返済額軽減型は月々金額が安くなる
繰り上げ返済後の支払いで「返済額軽減型」を選択した場合、残りの期間の毎月返済額が下がります。
利息軽減は期間短縮型の方が大きいですが、こちらは毎月の支払いが下がるのが魅力。
すると毎月約11万3千円だった返済額が約9万4千円になります。
基本的には期間短縮型がおすすめ
期間短縮型と返済額軽減型のどちらかで迷った場合は期間短縮型を選ぶ方がオススメです。
なぜなら利息が軽減される分、払い終わった時の総支払額が少なくなるから。
ただし返済額を軽減することで収入が減少してしまったり教育資金で苦しくなったりする時期を乗り越えられるという方も多いです。
その場合は返済額軽減型でも十分な恩恵を受けることができるでしょう。
繰り上げ返済を使ったシミュレーション比較
繰り上げ返済は積極的に利用することで大きな金銭的メリットを受けられます。
さらに言うと、自己資金を投入するタイミングによってもメリットの大きさが違います。
ここでは、タイミングによっての違いを具体的に解説していきます。
10年後と20年後で効果を比較
同じ繰り上げ返済でも、タイミングによって恩恵の大きさが違います。
500万円の繰り上げ返済を10年後と20年後に行った場合の違いは以下のとおり。
ちなみに期間短縮型での想定です。
繰り上げ返済しない | 10年後に500万円繰り上げ | 20年後に500万円繰り上げ | |
借入額 | 4000万円 | ||
金利 | 1%(全期間固定とする) | ||
当初借入年数 | 35年 | ||
繰り上げた場合の返済期間 | 35年 | 30年5カ月 | 30年10カ月 |
総返済額 | 約4,742万円 | 約4,616万円 | 約4,674万円 |
同じ金額の繰り上げ返済でも20年後より10年後に行った方が総返済額も少なくなり、返済期間もより短くなります。
タイミングは早ければ早いほど恩恵が大きくなるのです。
頭金を貯めた場合との比較
繰り上げ返済と似たような話で「頭金」についても解説します。
結論は自己資金を多く持っている方は、繰り上げ返済より頭金で最初に支払った方がお得です。
しかし自己資金が少ない方が頭金を貯めようとするとそれなりの期間がかかるでしょう。
特に賃貸暮らしの場合、その間にかかる家賃についても考えなくてはなりません。
- 月10万円の家賃を支払いながら5年かけて300万円の頭金を用意した30歳のAさん
- 頭金なしで5年後に300万円の繰り上げ返済をした30歳のBさん
上記の2人を比較したものが以下のとおり。
ちなみに今回も繰り上げ返済は期間短縮型で、どちらも住宅購入価格は4,000万円です。
頭金を用意したAさん | 繰り上げ返済をするBさん | |
借入額 | 3,700万円 | 4,000万円 |
金利 | 1%(全期間固定とする) | |
当初借入期間 | 35年 | |
払い終わる年齢 | 70歳 | 62歳 |
毎月の返済額 | 10万4,445円 | 11万2,914円 |
返済総額 | 約4,387万円 | 約4,644万円 |
家賃負担 | 600万円 | 0円 |
実際かかった総額 | 約4,987万円 | 約4,644万円 |
家賃がかかる方は結果的に頭金を用意する期間が金銭的デメリットを生み出してしまう可能性があります。
頭金の考え方については別記事でまとめてあります。
≫家の頭金は無しでOK!貯金するより借りた方が良い理由とは【タイムイズマネー】
まとめ
本記事では住宅ローンの繰り上げ返済について解説しました。
繰り上げ返済のメリットは何といっても総支払額が減少すること。
デメリットは金融機関によっては手数料がかかることと、手続きの手間くらいではないでしょうか。
住宅ローンは返済が長期に渡りがちですが、繰り上げ返済を計画的に行うことで支払額の軽減や期間の短縮が可能です。
ポイントは以下のとおり。
まとめ
- 繰り上げ返済は最低額が決められている場合がある
- webで手続きができる金融機関もある
- 迷ったら返済額軽減型より期間短縮型
- 繰り上げ返済のタイミングは早ければ早いほどお得
- 頭金を貯めるくらいなら今すぐ始めた方がお得
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。